噴火によるリスク

噴火によるリスク

2017/10/29

噴火のリスクはいくつかあります。

大きな石が飛んでくることもあれば、肺が降ってくることもあり、熱によって岩が溶けた溶岩が流れてくることもあれば、土砂が水と一緒になって流れてくる土石流もあります。

 

①火山灰

火山の噴出物のうち直径2mm以下のものを火山灰といいます。

火山灰は、数十kmから数百km以上風に運ばれて広域に降下し、

農作物の被害、交通障害、停電被害、家屋倒壊、航空機のエンジントラブルなど、

広く社会生活に深刻な影響を及ぼします。

平成12年6月26日に三宅島で始まった火山活動は、上空14,000mに及ぶ大噴火などにより大量の火山灰が降りました。

島民の生命、安全を確保するために9月2日、島民の島外避難指示が発令されました。

 

②溶岩流

マグマが火口から噴出して高温の液体のまま地表を流れ下るものです。

溶岩流が通過した場所の建物、道路、農耕地、森林、集落を焼失、埋没させて完全に不毛の地と化します。

地形や溶岩の温度・組成にもよりますが、流下速度は比較的遅く基本的に人の足による非難が可能です。

昭和61(1986)年11月15日伊豆大島三原山で始まった噴火は、溶岩で山頂火口を満たした後、

割れ目噴火により斜面を流れ下り元町集落に迫りました。

 

③火砕流

高温の火山灰や岩塊、空気や水蒸気が一体となって急速に山体を流れ下る現象です。

大規模な場合は地形の起伏にかかわらず広範囲に広がり、

火砕流が通過した場所を焼失、埋没させる大きな破壊力を持つとても恐ろしい火山現象です。

流下速度は時速数十kmから百数十km、温度は数百℃に達します。

平成3年6月3日雲仙岳では、山頂から4.3kmの地点まで火砕流が到達し43人が亡くなりました。

その後火砕流は3年間でおよそ1万回発生しました。

 

④ほか

火山噴火による岩石や火山灰が堆積しているところに大雨が降ったり、

積雪期の火山噴火に伴う火砕流等の熱によって斜面の雪が融かされて大量の水が発生すると、土石流や泥流が発生しやすくなります。

周辺の土砂や岩石を巻き込みながら高速で流下し、谷筋や沢沿いをはるか遠方まで一気に流下し広範囲の建物、道路、農耕地が破壊され埋没するなど、大規模な災害を引き起こしやすい火山現象です。

平成26年の御嶽山噴火は、マグマに熱せられた地下水が急激に水蒸気になって爆発する水蒸気爆発、

平成27年の口之永良部島の噴火は、マグマ水蒸気爆発とされました。

爆発により山体の岩石や火山灰が吹き飛ばされ降下し、大きな被害を及ぼします。

噴火の前兆が明確でなく予測することが難しい火山現象です。